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ドッグフードには穀類なのか、それとも肉なのか?
これについては、あまり深く考えることはなかったかも知れない。なぜなら私たちはこれまで、ペットフードメーカーが発表する犬の総合栄養食であるという点を無条件に信頼し、その栄養の源となる食材までを追求することなく、しかも消化吸収性についてはあまりにも無頓着であったかも知れない。
「穀類、それとも肉?」今回のこのテーマについては、はじめに「犬が必要としている栄養」をご紹介。
肉食動物である犬に最も適している食事とは
新鮮な肉を豊富に含む好たんぱく・低炭水化物の食事
犬は少なくとも1万年〜1万4千年前から人間と共存してきた。最近の分子解析データによると、犬はそれよりもっと以前から地球に存在していたということも分かってきている。
イエイヌは遺伝子学的に狼に最も近く、遺伝子配列は1%から2%しか変わらず、コヨーテとは7.5%、ジャッカルやキツネとはそれ以上違うことを考えると、この1、2%というのは驚異的な数字だ。また、狼とイエイヌは全く同じ消化器を持っている。
チワワからセントバーナードまで、あらゆるイエイヌは共通のDNA形態を持っており、このことから犬は元々1つの起源から発生したものだと考えられている。
狼は食肉目イヌ科タイリクオオカミ種で、イエイヌは食肉目イヌ科タイリクオオカミ種亜種で、イヌ科タイリクオオカミ種亜種は狼から進化したとされており、野生のイヌは解剖学的にも行動学的にも狼に最も近似している。そして、犬の消化器官は何百年もの間変わっていない。
肉食動物の典型的な 3 つの特徴があるのでご紹介。
1.口と歯
・1つの関節でつながった、大きく開く口
・食べ物を掴んで細かく切り刻むための短くとがった歯(食べ物をすり砕くためではない)
・食べ物を丸ごと飲み込むための歯と口(噛んで砕くためではない)
2.唾液
人間の唾液には複合炭水化物の分解を助けるアミラーゼが含まれているが、肉食動物の唾液には消化酵素が含まれていない。
3. 消化能力 肉食動物の消化器の長さは、人間のような雑食動物の消化器の3分の1しかない。肉をすばやく消化するためにこれだけ短くなっている。
肉食動物の胃にはたんぱく質を分解するための濃縮塩酸があり、人間の胃酸性度がpH4から5なのに比べ、肉食動物の胃酸性度はpH1かそれ以下だ。
つまり、元来、犬はベジタリアンではなく、犬は高たんぱく・低炭水化物の食事に適した体の構成をしており、新鮮な肉を生物学的に必要としている。
肉食動物に最も適した食事とは肉食動物の消化能力に合致した、新鮮な肉を豊富に含む高たんぱく低炭水化物の食事だ。
穀類やその他の複合炭水化物は肉食動物の犬にとって消化が困難。 犬は口内に消化酵素を持っていないため、複合炭水化物は前消化されない。胃と小腸は前消化されていない複合炭水化物を、長時間かけて分解しようとする。そうすると、ほとんどの複合炭水化物が消化されないまま大腸に送られるため、犬は量が多い便を出すことになる。
ドライドックフードのほとんどがトウモロコシ、小麦、米、大豆といった穀類を主成分にしている。また、ペットフードメーカーの多くが穀類は良たんぱく質源であると主張しているが、実際は炭水化物源のたんぱく質は犬にとって大変消化しにくく、栄養として利用することが難しい原材料になる。
犬の体は動物性たんぱく質摂取に適している
穀類は適切な栄養素ではない
様々な研究で、犬の体は動物性たんぱく質摂取に適していることが分かっている。また、たんぱく質の品質が高いほど消化率が高いことも分かっている。
それに比べて、穀類はドッグフードの炭水化物含有量を増やし、その結果として食糞、低血糖症、その他の炭水化物による健康問題を引き起こす。
現在市販されているドライドッグフードの大半が少なくとも3種類の穀類を使用、成分の平均50%以上が炭水化物となっている。穀類は安価でペットフードの嵩を増やし、加工も簡単だ。このためペットフードに大量に使用されている。
犬は活力と健康促進のためにアミノ酸を必要とする。アミノ酸はたんぱく質、特に動物性たんぱく質に含まれている。でんぷん質で高繊維の食物は動物性たんぱく質と脂肪に比べ、犬の短い単純な消化管内で消化されるのに時間がかかる。犬は原初から肉食として進化してきた、肉食動物なのだ。
現在飼い馴らされているとはいえ、犬は良たんぱく質源として植物を消化するようには進化していない。
適量のトウモロコシ、小麦、大豆、米は犬にとって有害ではない。しかし、このような原材料は犬が元来食べるものではない。穀類は肉食である犬にとって適切な栄養素ではない。
専門家が挙げる「炭水化物が持つ利点」の1つは、炭水化物は安価なたんぱく質である、ということだ。これは、動物は(人間の視点から見て)高価なたんぱく質を利用する前に、エネルギー源として安価な炭水化物が動物にとって利用可能であれば利用する、というもの。 炭水化物量を最小限に抑え、脂肪と高品質のたんぱく質が主成分となった食事が犬には最適で、犬が人間と違うのはこの点だ。人間が必要とする栄養素と犬が必要とする栄養素は必ずしも同じではない。
犬は主成分として肉、鶏肉、羊肉、魚を使用した食事を与えた方が健康で幸せに過ごせる。言い換えれば、私たちは犬を肉食動物としてそれに見合った食事を与えるべきで、そして、ただ安く済むからという理由で、犬をまるで草食動物のように扱ったペットフードを与える慣習は断固拒否するべきだ。
ケース、ケリー、ヒラカワ連著の「犬と猫の栄養学」174ページによると
「概して、コンパニオンアニマルにとって高品質の動物性たんぱく質は穀類たんぱく質よりも優れたアミノ酸バランスを持っている。穀類に含まれるたんぱく質は高品質の動物性たんぱく質と比べてバランスが悪く、消化にも適していない」
ここでいう「高品質の」とは「肉粉と骨粉」ではなく、肉、鶏肉、魚の主に筋肉や臓器組織のこと。
注意:ある種の肉粉はその加工過程から高品質とは見なされない。
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■参考引用・協力:生物学的に適正なペットフード ACANA FAMILY JAPAN
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【記事後記】
原材料の表示に小麦やトウモロコシ、オーツ麦などが並べられていても、これをドッグフードとして当然のものと受取っていたような気がします。ただ、これらの炭水化物により犬の健康が害されているとしたら、本末転倒です。
犬だって肉を食べたいはず。ただ、飢えをしのぐために与えられた穀物主体のドッグフードを食べているのかもしれません。大切に育てられているはずの愛犬たちは、もしかしたら「食べなければ死」といった極限状態の中で生きているのかも…。
(瑞木 こころ)
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