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Dog Magzineにお寄せいただいた犬のしつけのご相談です。
ドッグマガジンの編集スタッフが、トレーナーさんをはじめ経験者の皆さんなど、多くの人のご意見をお聞きし、それをまとめてアドバイスをさせていただています。

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【散歩中に吠える】
散歩の途中で他の犬に出会うと吠え掛かります。
キャバリア 5歳 男の子(1歳と10ヶ月の時去勢済み)です。
友達犬だととても友好的なのですが、それ以外は全くダメです。お座りの命令も効き目がありません。
座れと伏せて待ては出来ます。4分間は伏せて待つことができます。
吠えるようになったのは、はっきりとした年齢は記憶していなのですが、成犬になってからです。
良いアドバイスお願いします。
また、玄関のチャイムが鳴るとものすごいけんまくで吠えながら玄関に直行する悪い行動も矯正できるでしょうか?
Y.Hさん
【アドバイス】
散歩の途中で他の犬に会えば、吠え掛かるということですが、友達犬だととても友好的で、それ以外の犬は全くダメなようですね。この「友達犬だととても友好的」というところに問題を解く鍵がありそうです。
座れ、伏せ、そして伏せて待てを4分間できるということですから、わんちゃん(以後はKちゃんと呼ばせていただきます)のお母さんに対する服従についてはそれほど問題はなさそうです。ただ、伏せ待てのトレーニングは毎日続けて、最低でも20分間は待てるようにしてください。服従訓練は、待てに始まり、待てに終るともいわれます。
成犬になってから吠えるようになったということは、なにかキッカケになるものがあったのでしょうね。まずは、原因を探ってみましょう。原因がわかれば対処もしやすいはずですから。
これは、あくまでも想像ですが、Kちゃんがお母さんと楽しい散歩をしていて、他の犬がわんちゃんに、あるいはお母さんに吠えかかった、あるいは威嚇をしたなど、Kちゃんにとって何らかの嫌なことが起こったのではないでしょうか。また、それをキッカケに、お母さんの他の犬に対する態度が変わったということがあるのではないでしょうか。
そんな前のことを思い出せというのも無理でしょうから、今、現在を考えてみましょう。友達犬と会ったとき、お母さんの態度はどうでしょう。友達犬を見たら、近寄って「○○ちゃん、おはよう」といって撫でてあげる、またその飼い主さんともお話をする。Kちゃんにすれば、友達に会って自分も嬉しいし、お母さんの友好的で楽しげな様子を見て、さらに嬉しい。お母さんが楽しそうに話したり、撫でてあげたりしている犬なんだから、自分(Kちゃん)も安心できる。そんな風に思っているのではないでしょうか。Kちゃんはお母さんが大好きなのです。
逆に、友達犬で無い場合はどうでしょう。他の犬に出会った瞬間に、お母さんの態度はそれまでとは変わりませんか。「あっ、また他の犬に出会ってしまった」というそんな思いから、少し体が硬くなる、顔もこわばる、来ないで、近寄らないで…、Kちゃん吠えないで…、そしてそれまでゆるんでいたリードを強めに引く。そんなお母さんの変化を、Kちゃんが見逃すはずがありません。
そしてKちゃんが吠えかかると、お母さんは叱りながらKちゃんを抑えようとする、相手の犬の飼い主は遠巻きに避けてその場から離れる。おそらく、毎回このようなシーンが繰り返されているのではないでしょうか。つまり、原因はここにあると思われます。
矯正の方法をご紹介する前に、どうしても理解していただきたいことがあります。それは「犬がある行動をし、それが良い結果(褒美をもらう)をもたらせば、その行動は続き、好ましくない結果(罰、叱られる)を受ければ減少する。また、何の結果も得られなければ、その行動は無くなる」ということです。
Kちゃんが他の犬に吠えかかる、すると、“相手の犬と飼い主は遠巻きに避けてその場から離れていく”.これが、Kちゃんにとっては良い結果であり、ご褒美になっているのです。「ボクが吠えたら、アイツ(相手の犬)は、逃げていっちゃた」=「追い返してやった」というのがご褒美です。だから、このご褒美をあげなければ、Kちゃんも吠えかかることを止めるはずです。
それではどうすればよいのでしょう。散歩で出会う犬のすべてを友達犬にしてしまうのが一番いいのでしょうが、そうもいきません。また、吠えている犬に「スワレ」という指示で座らせて、吠えるのを止めさせるというのも至難の技。吠えながらもこの指示に従うぐらいなら、吠えないはずです。
そこでこんな方法をご紹介させていただきます。
散歩に出ます、他の犬に出会います。お母さんはできるだけ平静に、それまでと同じ態度で歩き続けてください。他の犬と出会っても、絶対にリードを強く引いたりしないでください。リードはそれまでと同じような状態を保ち続けてください。吠え始めてKちゃんが相手の犬に飛びかかろうとしてからリードを引いてもけっして遅くありません。そしてKちゃんが吠えたら、その瞬間に回れ右をして今来た道を引き返してください。家から出たばかりなら、家に向かってください。この間はKちゃんを見たり、目を合わせてはいけません。全く無視して歩き続けてください。いくら吠えても、振り返りながら相手の犬に向かおうとしても、リードを引いてそのまま歩き続けてください。決して立ち止まってはいけません。そうして歩いていると、Kちゃんが吠えるのを止める時がきます。そして吠えるのを止めたその瞬間に落ち着いた口調で「静かに」といいます。そのまま静かにしていたら、ご褒美をあげます。ご褒美はオヤツを与え、そして言葉でもヨシヨシやオリコウサンなど、いつも使っている褒め言葉で思いきり誉めてあげてください。そして、続いて「スワレ」の指示で座らせます。しばらく座って待たせて、落ち着いたら散歩を再開します。これを散歩の度に、何度も繰り返します。そうすると、いつの間にか吠えなくなるはずです。ただ、どの程度の期間が必要かはわかりません。5歳という年齢を考えれば、相当の期間が必要と覚悟しておいたほうがよいでしょう。ここで、大切なことは、吠えるの止めたその瞬間に「静かに」というコマンドを与え、誉めること。そして「静かに」というコマンドをKちゃんがしっかり覚えることです。そうすると、吠えても、「静かに」というコマンドで吠えるのを止めるようになります。
ただ、友達犬に吠えないということですので、Kちゃんのトレーニングもさることながら、お母さんも他の犬に会ったときには状態の変化をできるだけ抑え、友達犬に会ったときと同じぐらいのコンディションに保つようにしてください。これが案外、キーポイントかもしれません。もし、他の犬に出会った時、お母さんがKちゃんを抑えるためにリードを強く引いているなら、そのリードを引くことが、「吠えろ」というコマンドになっているかもしれません。おそらく、友達犬と出会ったときはリードを強く引いていらっしゃらないはず。むしろ、出会った瞬間はさらに弛んだ状態になっているかも…。ご自分の状態を思い起こしてみてください。
次に、玄関のチャイムが鳴るとものすごいけんまくで吠えながら玄関に直行するという問題ですが、これも上記と同じです。その原因となるものを探ってみましょう。チャイムで興奮して吠えるのを止めさせるにも、前述の「犬がある行動をし、それが良い結果(褒美をもらう)をもたらせば、その行動は続き、好ましくない結果(罰、叱られる)を受ければ減少する。また、何の結果も得られなければ、その行動は無くなる」を応用します。
玄関のチャイムが鳴る、玄関の向う側には訪問客がいる。Kちゃんが吠える。お母さんや家族の皆さんが「うるさい」「いけない」などをKちゃんの吠え声の大きさを上回らんばかりの声で叱る。お客さんは用事もそこそこに退散される。(失礼しました。これはあくまでも想像ですから、Kちゃんファミリーがそうだと言っているわけではありませんので…)
「ボクが吠えると、お母さんをはじめ家族がワイワイ言っていっしょに応援してくれるし、ボクが吠えたら、怪しいヤツ(お客さん)も逃げて行った」と、こんな風にKちゃんは思っているのかもしれません。いや、おそらくそうでしょう。この場合は、チャイムが「吠えろ」というコマンドです。そして吠える。吠えると、吠え声を上回らんばかりの大きな叱り声は応援歌、つまり興奮剤、また、吠えたことでその応援歌がうれしくてたまらない。さらにお客さんが退散することが最高のご褒美です。Kちゃんがチャイムで吠えることは、Kちゃんにとって良い結果(褒美をもらう)ばかりです。嫌なことが何ひとつ無いのです。これではKちゃんも止めたくても止められません。
じゃあ、どうやってKちゃんがチャイムで吠えるのを止めさせたらいいのでしょうか。こうしてみてください。チャイムが鳴る。Kちゃんが吠える。全くKちゃんを無視してください。そして何もしないでください。一言も声を出さず、また叱る必要もありません。「Kちゃんの言いたいことはわかってるよ」などという態度は禁物です。ずっと吠えるでしょうが、そのまま無視を続けてください。これには家族の皆さんの協力が必要です。誰かが一言でも声をかけると失敗です。
玄関のドアを開け、訪問客が用事を済まされ、帰られるまで、吠え続けるなら、その間もずっと無視します。そして吠えるの止めたら、その瞬間に落ち着いた口調で「静かに」といいます。そのまま静かにしていたら、ご褒美をあげます。ご褒美はオヤツを与え、そして言葉でもヨシヨシやオリコウサンなど、いつも使っている褒め言葉で思いきり誉めてあげてください。そして、続いて「スワレ」の指示で座らせます。しばらく座って待たせて、あるいは伏せて待たせて、しばらく経ったら、オヤツを与え、言葉で誉めて、解除します。これは前述の「散歩中に吠える」のと同じやり方です。これをチャイムが鳴る度に、何度も繰り返します。
ただ、訪問客を待っているというのも能がありませんから、親しい人に事情をお話して協力してもらうのもいいでしょうし、家族が帰宅する度にチャイムを鳴らしてもいいでしょう。とにかく、矯正する機会を多く持つことです。
実は、ドッグマガジンのモモちゃん(ボクサーの女の子、現在1才6ヶ月)も、以前はKちゃんと同じように、チャイムが鳴ると吠えていました。それで、上記の方法を用い、家族が帰宅する場合でもチャイムを鳴らしてから玄関ドアを開けるようにしました。家族だとわかると安心するのでしょうか、すぐに吠えるのを止めます。もちろん、帰宅してきた家族本人はモモちゃんと顔を合わせても、「モモちゃん、ただいま」なんてことは言いません。無言で無関心を装います。これを、何度か繰り替えしていると、いつの間にか吠えなくなりました。
これはおそらく、チャイムが鳴っても怪しいヤツではなく、チャイムが鳴ると家族が帰って来るんだというように理解したんだと思われます。
吠えても、全く無関心でいるということはかなりの努力が必要です。なかなか無関心でいられるものではありません。しかし、飼い主が「無関心」になることができれば、必ず、吠えることを止めさせることができます。どれほどの期間がかかるかわかりません。おそらく最低でも2〜3ヶ月以上はかかるかと思いますが、あきらめずに頑張ってください。
トレーニングや矯正のコツは、とにかく犬に根負けしないこと。「まぁいいか」は、失敗の元です。
Y.H様へ
このアドバイスの中でご不明な点があればDog Magazine編集部までご連絡ください。また、よろしければこのアドバイスで、矯正できたかどうかなど、その後についても教えていただければうれしい限りです。
■このご相談内容について、私はこうして直したなどの体験談やアドバイスなどがあれば
Dog Magazine編集部までお寄せください。
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