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Dog Magzineにお寄せいただいた犬のしつけのご相談です。
ドッグマガジンの編集スタッフが、トレーナーさんをはじめ経験者の皆さんなど、多くの人のご意見をお聞きし、それをまとめてアドバイスをさせていただています。

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【トイレのしつけ-1】
産まれて3ヶ月目のダックスMIXを飼っています。
ミズキといいますが、散歩にいっても排尿、排便をしない。
ゴミ箱をあさる、ものをかむなど、本当に手をやいています。トイレは部屋や玄関、新聞の上など、いろいろなところでします。しつけのしかたをアドバイスください。
M.Sさん
【アドバイス】
ミズキちゃんというお名前なんですね。編集部にもミズキちゃんがいるので、なんだか親しみを感じてしまいます。ところでミズキちゃんは、まだ3ヶ月の仔犬ですから、現在のこの状態が普通だと思います。この時期、お母さんは大変ですけど、しばらく我慢すればミズキちゃんに言葉で表せないほどの感動をいっぱいもらえると思います。あせらずに頑張ってください。
ゴミ箱をあさる、ものを噛むについてですが、ミズキちゃんが噛みそうなものは、ミズキちゃんの目の届くところに置かないで、まず隠すことです。これに尽きます。ゴミ箱は蓋付きのものに変えるとか、クローゼットに隠すとか、そういった工夫をしてください。
いけない行為に対して、天罰を与えるという方法も多くの本に書かれてありますので、それを試してみることもいいかもしれません。天罰とは、いけないことをしたときに、水鉄砲で水をかける、空き缶にコインなどを入れてガチャンと音をさせて驚かすなどです。
なぜ、天罰なのかといえば、ミズキちゃんとM.Sさんの絆を損なわずに、また、ミズキちゃんに嫌悪の感情を抱かせることがないからです。ただし、これはその行為の最中にしなければ効果がありません。つまり現行犯です。1秒後では既に遅いともいわれます。行為の後では、何の効果もありません。現行犯で天罰を繰り返していけば、次第にいけない行為の回数が少なくなり、やがて無くなります。また、けっして怒ってはいけません。怒りは犬の恐怖や苛立ちを招くだけで、なんの効果もありません。言葉で矯正するときは、「ノー」、「いけない」以外の言葉を使わないようにします。なぜこの言葉なのかについては、また別の機会に記事を組んで説明させていただきたいと思います。
ドッグマガジン編集部のおすすめは、この問題についても「無視作戦」です。(「無視作戦」は、1ページ目の【噛み癖】をご一読ください)。モノを噛んだら、すぐに「いけない」と一言だけ言って止めさせ、犬にかまわずに、無表情で黙って片付けます。そして、周囲に噛みそうなモノの無いことを確認して「無視作戦」を実行します。
わが編集スタッフのモモちゃんの場合は、噛むモノを隠す、モノを噛んだら、何も言わないで無視して片付ける。そしてしばらくしたら、ボールで思いきり遊んであげるということをしました。そうすると、モノを噛むことは無くなりました。ただし、タオルは今だに噛みます。これはおもちゃとして、タオルを固く結んで与えていた影響かと思います。
散歩にいっても排尿、排便をしないということですが、まだ3ヶ月ですから、かなり頻繁に排尿、排便を繰り返しますので、その都度、外に連れ出す必要があります。朝起きた時、遊んだ後、昼間でも寝て起きた時、また、そわそわした時などがミズキちゃんのトイレタイムです。その時に外に連れ出しましょう。そうすると、外でトイレをするようになるでしょう。でも、3〜4日で解決するとは思わないでください。トイレのしつけはわんちゃんによって、かなり差があるようです。どれだけの期間がかかるかは全くわかりません。もちろんかなりの短い期間、それこそ3〜4日でトイレをマスターするかもしれません。でも、このトイレの問題は必ず解決します。安心して取組んでください。ちょっと大変ですけどね。
次に、家の中でのトイレの問題についてです。部屋や玄関、新聞の上など、いろいろなところでトイレをするということですが、ミズキちゃんは、なんといってもまだ3ヶ月の仔犬です。無理もないといえば、無理も無いのですが…。
まず、粗そうをしても、けっして声を出して叱らないでください。叩くことはもちろん論外です。ミズキちゃんは叱られても、オシッコやウンチをした場所が悪いのか、オシッコやウンチをすること自体が悪いのか分からないからです。追いかけてもいけません。追いかけると、オシッコをしたら、鬼ごっこをしてくれたということになり、粗そうが報われることになるからです。つまり追いかけることがご褒美になるのです。粗そうをしたその場所に鼻を押し付けるなんていうことをしている人もあるようですが、これも論外です。
粗そうをしたらどうするか。これはもう黙って黙々と片付けましょう。そして、匂いが残らないように、消臭スプレーなどで消臭しておきます。
ここで、ペットの行動問題専門獣医師として有名なジョエル・ドゥハッスさんのトイレのしつけの9原則をご紹介しておきます。この方法が最も簡単で効果的といわれています。
(1)寝床と食事場所から最低1m以上離れた場所に1ないし数カ所のトイレを作る。トイレには子犬が簡
単に行けるようにする。
(2)市販のトイレシートなど、吸収性の高い、適当な材質を選ぶ。
(3)見張っていられないときは、寝床、食事場所、トイレの近辺で子犬が行ける場所を制限する。
(4)子犬が近くにいるときはよく見張り、怪しい行動が見られたらすぐトイレに連れて行き、首尾よく
排泄したら褒美を与える。
(5)不適当な場所で排泄を始めたなら、怒らずに犬を抱き上げ、トイレに連れて行く。
怒りは教育的ではない。
(6)8週齢になったなら、家の中のトイレを使っていても外に連れ出し、排水溝、地面、草むらなどで
排泄させる。この練習は15週齢までに行わなければならない。
(7)最初の数週間は、夜中に1〜2回排泄させる。連続して6時間以上我慢させてはいけない。
(8)外に出す場合は、いつも同じ出口を使い、排泄するまで、遊んだり、散歩に連れ出してはならな
い。さもなければ、犬はいろいろな理由をつけて、しょっちゅう外に出たがるようになる。
(9)外出したがって吠えるようにしてはならない。吠え声はあてにならないし、ほかの好ましくない行
動を招くことになる。排泄のため出たがる子犬は扉の前に行き(同じ扉を使用)。キューキュー鳴
くか、前足で引っかく癖をつけるようにして、このような行動には褒美を与える。
以上ですが、ミズキちゃんは3ヶ月、12週齢ですから、十分に役立つと思いますので、紹介させていただきました。首尾よく、トイレシートでオシッコをしたらすぐに取り替えないで、2〜4回ぐらいは使いましょう。これは匂いを残し、トイレの場所を確実に覚えさせるためです。
なお、わが編集スタッフのモモちゃんは、トイレをマスターするのがとても遅かったのです。完璧になるまで7ヶ月かかりました。ところが、ある日から突然、粗そうは無くなったのです。今では、トイレをしたくなった時はもちろん、トイレを済ませた後でも、「トイレをしたよ」と教えにくるほどです。
そのしつけの方法はこんな方法が知りたかった トイレの失敗ゼロの秘策をご覧ください。
M.S様へ
このアドバイスの中でご不明な点があればDog Magazine編集部までご連絡ください。また、よろしければこのアドバイスで、矯正できたかどうかなど、その後についても教えていただければうれしい限りです。
■このご相談内容について、私はこうして直したなどの体験談やアドバイスなどがあれば
Dog Magazine編集部までお寄せください。
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