体重が増え過ぎている犬は健康のために、
たんぱく質が豊富で、適度な量の脂肪で炭水化物の量を制限した食事が必要です。
一般的に、肥満犬のためのウエイトコントロール(減量用)フードといえば、
たんぱく質の量を減らし、炭水化物(穀類など)の量を増やし、脂肪の量を減らすことで、エネルギー(カロリー)を下げ、ウエイトコントロール(減量用)フードとしています。実は、これは全く逆のことをしています。
犬の体内では、炭水化物は糖分として認識され、脂肪として蓄積されます。
見かけ上の体重が減ることはあるかも知れませんが、体脂肪は蓄積されています。肥満、消化不良、糖尿病その他の健康問題は、多くは炭水化物の多量摂取によるものです。
たんぱく質の量を減らすことは、健康に害を及ぼすリスクが高まります。
たんぱく質は引き締まった筋肉と全体的な健康の維持に欠かせません。
筋肉は、十分なたんぱく質の摂取と適度な運動で作られます。
筋肉がなければ、歩くこと、走ること、食事や鳴くことも、呼吸すらも行うことができません。また、筋肉量が多いほど基礎代謝量が増し、体の中の余分な糖質や脂肪がどんどん燃焼されます。その結果、血糖値の上昇が抑えられ、肥満防止や糖尿病その他の健康問題の予防にもつながります。
犬が十分なたんぱく質を吸収しない場合、窒素バランスが崩れてしまいます。窒素バランスが崩れると代謝に必要なたんぱく質が食事から摂取できません。すると体は足りないたんぱく質を補うために、筋肉からたんぱく質を取ることになります。
結果、筋肉が痩せ衰え、体重が落ちてたんぱく質欠乏を引き起こします。
軽度のたんぱく質の欠乏が大幅に免疫機能を損なうことがあります。
免疫機能の低下は感染症発症の増大やガンの発症、これまでには無かったアレルギー症状の発症などのリスクが高まります。
たんぱく質は貴重な栄養源で、
免疫系、中枢神経系をサポートし、創傷治癒に貢献し、無駄のない筋肉を作るのに役立ちます。皮膚やコートの健康のためにも必要です。たんぱく質の摂取が少ない犬はケガや感染症からのストレスをより多く受けやすくなります。
脂肪は犬にとって重要な栄養成分。
脂肪から作られたブドウ糖は血糖値を上昇させません。
犬は、肝臓で脂肪からエネルギー源となるブドウ糖を作り出すことができます。脂肪から作られたブドウ糖は血糖値を上昇させません。
犬にとって、脂肪は炭水化物やたんぱく質と比べ約2.5倍も高いエネルギーを含み、効率的にエネルギーを供給する成分となります。脂肪は脂溶性ビタミンを吸収するためにも必要で、また細胞膜の構成成分になるなど、体内で様々な働きをします。
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